構造物の設計や、地盤の変形を予測する際には、地盤の強度特性や変形特性・圧密特性を確認する必要があります。
地盤の強度特性や変形特性・圧密特性を確認するには、原位置にて調査する方法もありますが、検討対象となる地盤から、乱さない試料を採取して、適切な室内土質試験を行なうことが一般的である。
乱さない試料の採取方法には、ボーリング孔の孔底にサンプラーを降ろして、圧入または回転して採取するチューブサンプリングと、土をブロック状の塊にして、直接採取するブロックサンプリングがあります。
サンプラーの構造と適用地盤の関係は、(社)地盤工学会によって下表に示すように基準化されています。
サンプラーの種類 | 構造 | 地盤の種類 | |||||||||||
粘性土 | 砂質土 | 砂礫 | 岩盤 | ||||||||||
軟質 | 中位 | 硬質 | ゆるい | 中位 | 密な | ゆるい | 密な | 軟岩 | 中硬岩 | 礫岩 | |||
N 値の目安 | |||||||||||||
0-4 | 4-8 | 8 以上 | 10 以下 | 10-30 | 30 以上 | 30 以下 | 30 以上 | ||||||
固定ピストン式シンウォールサンプラー | エキステンションロッド式 | 単管 | ◎ | ○ | ○ | ||||||||
水圧式 | 単管 | ◎ | ◎ | ○ | |||||||||
ロータリー式二重管サンプラー | 二重管 | ◎ | ○ | ||||||||||
ロータリー式三重管サンプラー | 三重管 | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ||||||
ロータリー式スリープ内臓二重管サンプラー | 二重管 | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ||||||
ブロックサンプリング | - | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ |
通常の地盤調査では、ボーリング孔を利用したサンプリングがなされており、土質に応じて固定ピストン式シンウォールサンプラーやトリプルチューブサンプラーが多く用いられています。